以前,ショパンの全作品に使われている調性のランキングを集計しました。
今回は,ショパンが生前に”正式に”出版した作品に使われている調性のランキングを集計しました!
ついでにベートーヴェンの主要作品の調性も集計しております!
お時間のない方は「まとめ」まで飛んで結果だけでもぜひご覧ください!
ショパンが生前に出版した作品の「調性ランキング」!
前回は,調性が確認できるショパンの全作品254曲について,
使われている「調」のランキングを集計しました。
しかし,この254曲にはショパンの死後に出版されたものも多数含まれています。
完璧主義だったショパンは,未出版の作品の原稿は全て焼却するように遺言していました。
ショパンが生前に納得いくまで推敲を重ね”正式に”出版した作品は全部で163曲です。
この163曲こそがショパン自身がショパンの作品として出版した”正式な”ショパンの作品です。
ショパンの遺言どおりなら焼却されていたはずの作品とは分けて考えるべきです。
今回は,ショパンが生前に”正式に”に出版した作品に使われている「調」のランキングを集計します!
ショパンが作品に用いた調性
長調 | 短調 | ||||||
前奏曲集Op.28で使われた調 | 異名同音調 | 前奏曲集Op.28で使われた調 | 異名同音調 | ||||
ハ長調 | イ短調 | ||||||
ト長調 | ホ短調 | ||||||
ニ長調 | ロ短調 | ||||||
イ長調 | 嬰ヘ短調 | ||||||
ホ長調 | 嬰ハ短調 | ||||||
ロ長調 | 変ハ長調 | 嬰ト短調 | 変イ短調 | ||||
嬰ヘ長調 | 変ト長調 | 変ホ短調 | 嬰ニ短調 | ||||
変ニ長調 | 嬰ハ長調 | 変ロ短調 | 嬰イ短調 | ||||
変イ長調 | ヘ短調 | ||||||
変ホ長調 | ハ短調 | ||||||
変ロ長調 | ト短調 | ||||||
ヘ長調 | ニ短調 |
調は異名同音調を含めると全部で30あります。
ショパンは前奏曲集Op.28で24全ての調を使っています。
上の表ではショパンが前奏曲集Op.28で使用した調を赤文字で示しています。
ショパンは前奏曲集Op.28で使用した調以外では,変ト長調も使っています。
それ以外の調は一度も使っていません。
つまり,ショパンがその生涯で使用した調は全部で25になります。
今回はこの25の調について,生前に出版された163曲のうちの何曲に使われているのかを,
ランキング形式で発表します!
ショパン調性ランキング!【18位から13位まで】
19位以下(同率18位が3つあるので,実際は21位以下)は「ワーストランキング」として後ほど紹介いたします。
18位
第18位は,イ長調,嬰ヘ長調,変ホ短調でした!
これら3つの調性はそれぞれ4曲ずつ作曲されています。
生前出版された163曲中の2.5%になります。
イ長調の作品
- ピアノとオーケストラのための,ポーランド民謡による大幻想曲Op.13
- 24の前奏曲集第7番Op.28-7
- 軍隊ポロネーズOp.40-1
- 演奏会用アレグロ(アレグロ・ド・コンセール)Op.46
前奏曲Op.28-7(太田胃散のCM曲),軍隊ポロネーズは人気作品ですね。
ポーランド民謡による大幻想曲と演奏会用アレグロは大作です。
嬰ヘ長調の作品
- ノクターンOp.15-2
- 24の前奏曲集第13番Op.28-13
- 即興曲第2番Op.36
- 舟歌Op.60
晩年の大作「舟歌」をはじめ,名曲が並びます。
同音異名調である変ト長調もあわせると,ランキングは一気に8位まで上がります。
変ホ短調の作品
- マズルカOp.6-4
- エチュードOp.10-6
- ポロネーズOp.26-2
- 24の前奏曲集第14番Op.28-14
印象の薄い地味な曲が並びます。
14位
第14位は,変ロ短調,変ロ長調,嬰ヘ短調,ホ短調でした!
これら4つの調性はそれぞれ5曲ずつ作曲されています。
生前出版された163曲中の3.1%になります。
変ロ短調の作品
- ノクターンOp.9-1
- マズルカOp.24-4
- 24の前奏曲集第16番Op.28-16
- スケルツォ第2番Op.31
- ピアノソナタ第2番Op.35「葬送行進曲付き」
小品から大作まで名曲が並びます。
変ロ長調の作品
- ピアノとオーケストラのための,モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の「ラ・チ・ダレム・ラ・マノ」による変奏曲Op.2
- マズルカOp.7-1
- 華麗なる変奏曲Op.12
- マズルカOp.17-1
- 24の前奏曲集第21番Op.28-21
マズルカOp.7-1以外は演奏機会の少ない作品が並んでいます。
「ラ・チ・ダレム・ラ・マノ」による変奏曲は,シューマンが「諸君帽子をとりたまえ,天才だ!」と紹介したことで有名です。
嬰ヘ短調の作品
- マズルカOp.6-1
- 24の前奏曲集第8番Op.28-8
- ポロネーズOp.44
- ノクターンOp.48-2
- マズルカOp.59-3
ポロネーズOp.44やマズルカOp.59-3はコンクールなどで好んで演奏される作品です。
ホ短調の作品
- ピアノ協奏曲第1番Op.11
- マズルカOp.17-2
- エチュードOp.25-5
- 24の前奏曲集第4番Op.28-4
- マズルカOp.41-1
叙情的な名曲が並びます。
13位
第13位はロ短調でした!
6曲がロ短調で書かれていて,163曲中の3.7%になります。
- スケルツォ第1番Op.20
- エチュードOp.25-10
- 24の前奏曲集第6番Op.28-6
- マズルカOp.30-2
- マズルカOp.33-4
- ピアノソナタ第3番Op.58
叙情的な作品から情熱的な作品,小品から大作まで,色々なタイプの名曲が並びます。
ショパン調性ランキング!【8位から5位まで】
8位
第8位は,変ニ長調,ト短調,ロ長調,ホ長調,変ホ長調でした!
これら4つの調性はそれぞれ7曲ずつ作曲されています。
生前出版された163曲中の4.3%になります。
変ニ長調の作品
- エチュードOp.25-8
- ノクターンOp.27-2
- 24の前奏曲集第15番「雨だれ」Op.28-15
- マズルカOp.30-3
- 子守歌Op.57
- 小犬のワルツOp.64-1
- 3つの新しい練習曲-3
当サイト管理人が愛するショパンの変ニ長調です!
珠玉の名曲が並びます。
ト短調の作品
- ヴァイオリン,チェロ,ピアノのための三重奏曲Op.8
- ノクターンOp.15-3
- バラード第1番Op.23
- マズルカOp.24-1
- 24の前奏曲集第22番Op.28-22
- ノクターンOp.37-1
- チェロソナタOp.65
演奏機会の少ない作品が多いですが,バラード第1番は指折りの人気作品ですね。
チェロソナタはショパンが生前に出版した最後の作品です。
ロ長調の作品
- ノクターンOp.9-3
- 24の前奏曲集第11番Op24-11
- ノクターンOp.32-1
- マズルカOp.41-2
- マズルカOp.56-1
- ノクターンOp.62-1
- マズルカOp.63-1
小品ばかりが並びます。
ホ長調の作品
- マズルカOp.6-3
- エチュードOp.10-3『別れの曲』
- 24の前奏曲集第9番Op.28-9
- スケルツォ第4番Op.54
- ノクターンOp.62-2
- 「ヘクサメロン」の第6変奏
- チェロとピアノのための,マイヤベーアのオペラ「悪魔のロベール」の主題による協奏的大二重奏曲
演奏機会の少ない作品から人気の作品まで色々です。
変ホ長調の作品
- ノクターンOp.9-2
- エチュードOp.10-11
- ロンドOp.16
- 華麗なる大円舞曲Op.18
- ピアノとオーケストラのための「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」Op.22
- 24の前奏曲集第19番Op.28-19
- ノクターンOp.55-2
ノクターンOp.9-2,華麗なる大円舞曲Op.18,アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズOp.22は屈指の人気作品ですね。
7位
第7位はヘ長調でした!
8曲がヘ長調で書かれており,生前出版された163曲中の4.9%になります。
- ロンド・ア・ラ・マズルOp.5
- エチュードOp.10-8
- ピアノとオーケストラのための,演奏会用ロンド「クラコヴィアク」(ロンド・ア・ラ・クラコヴィアク)Op.14
- ノクターンOp.15-1
- エチュードOp.25-3
- 24の前奏曲集第23番Op.24-23
- 3つの華麗なる円舞曲Op.34-3
- バラード第2番Op.38
演奏機会の少ない作品が並んでいますね。
5位
第5位はハ長調とハ短調でした!
9曲がハ長調,ハ短調で書かれており,生前出版された163曲の5.5%ずつになります。
ハ長調の作品
- ピアノとチェロのための,序奏と華麗なるポロネーズOp.3
- マズルカOp.7-5
- エチュードOp.10-1
- エチュードOp.10-7
- ボレロOp.19
- マズルカOp.24-2
- 24の前奏曲集第1番Op.24-1
- マズルカOp.33-2
- マズルカOp.56-2
演奏機会の少ない作品が並びます。
ハ短調の作品
- ロンドOp.1
- ピアノソナタ第1番Op.4
- エチュードOp.10-12『革命』
- エチュードOp.25-12『大洋』
- 24の前奏曲集第20番Op.24-20
- マズルカOp.30-1
- ポロネーズOp.40-2
- ノクターンOp.48-1
- マズルカOp.56-3
エチュードの中でも屈指の人気曲『革命』『大洋』が並びます。
ロンドOp.1はショパンが15歳のときにはじめて作品番号をつけて出版した作品。
ピアノソナタ第1番Op.4は18歳のときに書き上げた初めての大作です。
ショパンが生前に作品番号をつけて出版することを決めていたにも関わらず,出版が死後になってしまった唯一の作品です。
作品番号Op.4をつけて作曲の先生エルスナーに献呈されましたが,出版社が若い作曲家の作品の出版を渋ったため,結局出版されたのはショパンの死後になってしまいました。
ショパン調性ランキング!【ワーストランキング】
ショパンお気に入りの調性も気になりますが,
ショパンが最も使わなかった調性も気になりますね。
ここでワーストランキングを発表したいと思います。
ワースト3位
ワースト3位は・・・
変ト長調,
嬰ト短調,
ト長調でした!
ショパンはこれらの調性の作品を3曲ずつしか書いていません。
163曲中の1.8%になります。
変ト長調や嬰ト短調は調号が多いですから,作品数が少ないのは分かりますが,
ト長調の作品が3曲しかない,というのは少なすぎます。
変ト長調は,異名同音調の嬰ヘ長調とあわせると作品数は7曲となり,
一気にランキングは8位となります。
◆変ト長調の作品
- エチュードOp.10-5『黒鍵』
- エチュードOp.25-9『蝶々』
- 即興曲第3番Op.51
珠玉の名曲が並びます!
嬰ヘ長調の作品も名曲ばかりです。
変ト長調も嬰ヘ長調もこれだけ調号が多い調ですから,こんなにたくさんの作品を書いている作曲家は珍しいでしょう。
変ト長調と嬰ヘ長調はショパンお気に入りの調性だったのでしょう。
◆嬰ト短調の作品
- エチュードOp.25-6
- 24の前奏曲集第12番Op.28-12
- マズルカOp.33-1
エチュードOp.25-6と前奏曲Op.28-12は難曲として知られていますね。
◆ト長調の作品
- 24の前奏曲集第3番Op.28-3
- ノクターンOp.37-2
- マズルカOp.50-1
演奏機会のあまりない作品が並びます。
ワースト2位
ワースト2位は・・・
ニ長調でした!
ショパンはニ長調の作品をたったの2曲しか書いていません。
163曲中たったの1.2%になります。
そんなニ長調の作品2曲を見てみましょう。
マズルカOp.33-3
マズルカの中では比較的演奏機会される機会の多い作品です。
前奏曲Op.28-5
珠玉の名曲であるOp.28-4とOp.28-6の間で一瞬で通り過ぎる作品です。
ワースト1位!
いよいよワースト1位です。
ショパンが最も使わなかった調性は・・・
ワースト1位は・・・
ニ短調でした!
なんとショパンはニ短調の作品をたった1曲しか書いていません。
163曲に対する割合はたったの0.61%!
しかもその1曲は前奏曲Op.28-24です。
「24の全ての調性を使った作品をつくる」という壮大な計画がなければ,
ニ短調の作品は1曲も出版されることなく,ショパンはその生涯を閉じたことになります。
前奏曲Op.28-24
演奏曲集Op.28の最後を飾るにふさわしい壮大な作品です。
ショパンの作品の中でも屈指の名作です。
「24の調性すべてを使った前奏曲集を作る」という計画がなければ,この名曲が誕生していなかったかもしれないと考えると,
こうしてこの作品と出会えて,本当に良かったと思います。
ショパン調性ランキング!【トップスリー】
いよいよ上位3位の発表です。
3位
第3位は・・・
ヘ短調と
イ短調でした!
ショパンはヘ短調とイ短調の作品をそれぞれ10曲書いています。
生前出版した163曲の6.1%になります。
ヘ短調の作品
- マズルカOp.7-3
- エチュードOp.10-9
- ピアノ協奏曲第2番Op.21
- エチュードOp.25-2
- 24の前奏曲集第18番Op.28-18
- 幻想曲Op.49
- バラード第4番Op.52
- ノクターンOp.55-1
- マズルカOp.63-2
- 3つの新しい練習曲-1
叙情的な作品から大作まで,粒ぞろいです。
イ短調の作品
- マズルカOp.7-2
- エチュードOp.10-2
- マズルカOp.17-4
- エチュードOp.25-4
- エチュードOp.25-11『木枯らし』
- 24の前奏曲集第2番Op.28-2
- 3つの華麗なる円舞曲Op.34-2
- マズルカOp.59-1
- マズルカ『エミール・ガイヤール』
- マズルカ『ノートルタン』
曲数は多いのですが,演奏される機会の少ない作品が並びます。
2位
ショパンがその生涯で使った調は全部で25。
そのうち23の調はすでにランキングが発表されています。
残る調は2つ。
ショパンが最も使ったお気に入りの調のランキング。
2位の発表です!
2位は・・・
嬰ハ短調でした!
ショパンは嬰ハ短調の作品を13曲書いています!
3位の10曲を大きく引き離しての2位です!
これはショパンが生前に出版した163曲の8.0%にあたります!
作品の8%が同じ調で書かれているというのは随分多いですね。
よほどショパンが気に入っていた調なのでしょう。
嬰ハ短調の作品
- マズルカOp.6-2
- エチュードOp.10-4
- エチュードOp.25-7
- ポロネーズOp.26-1
- ノクターンOp.27-1
- 24の前奏曲集第10番Op.28-10
- マズルカOp.30-4
- スケルツォ第3番Op.39
- マズルカOp.41-4
- 前奏曲Op.45
- マズルカOp.50-3
- マズルカOp.63-3
- ワルツOp.64-2
ずらりと名曲が並びます。
嬰ハ短調の作品は,書かれた作品のそのほとんど全てがショパンの生前に出版されているのも特徴で,
ショパンが書いた15曲の嬰ハ短調の作品のうち,13曲が生前に出版されています。
ショパンが生前に出版しなかった嬰ハ短調の作品は,
- 幻想即興曲
- ノクターン『レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ』
の2曲。
2曲とも屈指の人気作品です。
ショパンの嬰ハ短調の作品は,生前に出版された作品も,生前に出版されなかった作品も,
どれも人気のある名曲ばかりです。
ショパンが生前出版作品に最も使ったのは,○○○調!
1位の発表です!
ショパンが最も使った調は・・・
変イ長調でした!
ショパンが生前”正式に”出版した作品で,最も使われた調は変イ長調でした!
なんと19曲もの作品で変イ長調が使われており,2位以下を大きく引き離してダントツの1位です!
19曲というのは,生前出版された163曲の実に11.7%にあたります!
前回,死後出版された作品や失われた作品なども含めた全作品のうち,調性が確認できる254曲の中でランキングを作成したときも,
変イ長調の作品は28曲でダントツの1位でした。
その割合は11.08%で,これも驚きの結果でしたが,
生前出版作品の中では変イ長調の作品が11.7%となり,さらに割合が増えています!
前回,全作品254曲で集計したときも驚きましたが,
さらに割合が増えました。
11.7%というと,8~9曲に1曲は変イ長調の作品だということです。
ショパン以外の作曲家の作品は集計したことがないので憶測に過ぎませんが,
調号が多い作品が少なくて,調号が0~4個の作品がほぼ均等に使われる,というのが普通ではないかと思います。
こんなにも偏って,気に入って使っている調があるというのは,珍しいことではないでしょうか。
他の作曲家の調性も気になりますね。ということで・・・
ベートーヴェンの主要作品の調性を調べました
試しに,ベートーヴェンの
- ピアノソナタ32曲
- ピアノ協奏曲5曲
- ヴァイオリンソナタ10曲
- ヴァイオリン協奏曲1曲
- 交響曲9曲
- 弦楽四重奏曲16曲+大フーガ1曲
の調性を集計してみました。
ベートーヴェンって,ロ短調や嬰ヘ短調の作品をほとんど書いていないんですね!
知りませんでした。
これだけ長年ベートーヴェンの作品を聞いたり弾いたりしてきたのに,
気づかないものですね。
インターネット検索で簡単に調べただけですが,ロ短調の作品は「アレグレット」という作品だけのようです。
嬰ヘ短調の作品は1曲も書いていないみたいですね。
ポツンと目立つ嬰ヘ長調の作品は,ピアノソナタ第24番「テレーゼ」です。
ピアノ弾きはベートーヴェンのピアノソナタを弾き慣れているので意識していませんでしたが,
ベートーヴェンが,調号が6つもある作品を書くのは極めて珍しいことだったのですね。
また,長調の作品が55曲で,短調の作品が19曲。
モーツァルトと比較すると短調の作品が多い印象でしたが,
それでもやっぱり長調の作品の方が圧倒的に多いのですね。
作曲家によって好みや特徴があって,面白いですね。
色々な作曲家を調べてみたくなりました。
さておき,使われている調の多少の好みや多少はありますが,
ベートーヴェンの場合は,ショパンのようにある特定の調だけが突出してよく使われている,ということはありません。
やはり,ショパンの作品の変イ長調の使われ方は,極めて特徴的です。
ショパンの変イ長調の作品
- マズルカOp.7-4
- エチュードOp.10-10
- マズルカOp.17-3
- マズルカOp.24-3
- エチュード「エオリアンのハープ」「牧童」Op.25-1
- 24の前奏曲集第17番Op.28-17
- 即興曲即興曲第1番Op.29
- ノクターンOp.32-2
- ワルツ3つの華麗なる円舞曲Op.34-1
- マズルカOp.41-3
- ワルツOp.42
- タランテラOp.43
- バラード第3番Op.47
- マズルカOp.50-2
- 英雄ポロネーズOp.53
- マズルカOp.59-2
- 幻想ポロネーズOp.61
- ワルツOp.64-3
- エチュード3つの新しい練習曲-2
華やかで明るい作品が多いですね。
『英雄ポロネーズ』を筆頭に,ショパンの作品の中でも演奏される機会の多い屈指の人気曲がズラリと並びます。
『幻想ポロネーズ』はショパン最後の大作です。2010年のショパンコンクールでは,初の共通課題曲となりました。
ワルツOp.64はショパンが生前に出版した最後のピアノ独奏曲です。
ショパン調性ランキング!【まとめ】
調号の多い作品も多数書かれています。
むしろニ短調やト長調,ニ長調の作品よりも多いぐらいです。
ニ短調,ト長調,ニ長調の作品の少なさは特筆すべき特徴ですね。
また,長調の作品が85曲で短調の作品が78曲。
短調の作品も長調の作品に匹敵するほどたくさん書かれています。
調号が7個になる,変ハ長調,変イ短調,嬰ハ長調,嬰イ短調は意識的に避けていたことも分かりますね。
こうやって一覧表にまとめると,嬰ニ短調の作品を書いていないというのが目立ちます。
ショパンはバッハを敬愛し,日々の練習では平均律クラヴィーア曲集を愛奏していました。
その平均律クラヴィーア曲集で使われていた嬰ニ短調の作品を1曲も書いていないのは不自然ですね。
ショパンの嬰ニ短調の作品・・・聴いてみたかったです。
今回は以上です!